技術カンファレンス会場での託児所の考察

Daisuke Maki
4 min readDec 26, 2016

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こういう施策を行えるPyConもRubyKaigiもすごいなー、と思うのですが、二人の幼児を持つ親として、やはりイベント運営側がこういう仕組みを作るのは難しいなぁ、と思ったので備忘録的な読んだ感想。

まず全般的に:素晴らしい取り組みだとは思う。こういうサポートがあったほうが良いに決まっている。

それでもやはり自分が主催するカンファレンスで似たような取り組みをするかどうかはスゴく微妙なところで、現時点の素直な感想としては「この仕組みではやれないな」と思っている。

最も気になったことはこのプログラムへの参加人数の少なさ。結局これに尽きる。子持ちのエンジニアも一定数いるのはわかるし、実際こういうサービスに助けられる事もたくさんあるとは思う。しかし、実際問題として、技術カンファレンスの参加者層にどれだけこのサービスを利用できる層がいるのか、というのを疑問に思ってしまう。

利用実績 (https://esa-pages.io/p/sharing/68/posts/489/bf1736e8ef111c9d2f9b.html#1-8-0)

3日利用延べ人数: 5名

元々は30名からのサービス希望があったとの事だが、これは一人の親の直感として

  • RubyKaigiに参加したいと思った親が「これはちょうどいい!」と思った。
  • しかし、パートナーに聞いてみたら「わざわざ連れて行くの?」と言われた、もしくは
  • よくよく考え直したら、連れて行くのが(子供の体力的|金銭的|親の体力的)にしんどいと思った

というような流れでキャンセルとなったのではないかと思う。

どういうことかというと、そもそも託児所を必要とする年齢の子供に、丸一日(ないし数日)カンファレンス会場に連れ出すというのは結構な面倒なのだ。子供の年齢によっては遠出をすることによって体調を崩してしまう可能性が高かったりするし、そういうことを考えるとあんまり安易に(必要のないところに)連れ出すのは嫌がる親は多いと思う。風邪とか引かれるとその後数日間の親のスケジュールめちゃくちゃになるもん!

なので自分のパートナーが「カンファレンスに子供連れて行こう?」と言っても、なんらかのそれ以外の理由がないとわざわざ子供を連れて行きたがる親はなかなかいないと思う。

ちなみに親がシングルの場合はどうしようもないし、それはまた別問題。

ということでまず前提として、「わざわざ『幼児』を連れて行く」親は少ないだろうな、というのが実感。その上の年齢になってくると自分でガンガン動くので、それこそ会場に押し込めておくのは辛い。

なんで、やっぱりカンファレンス会場に託児所がある、ということについては良い施策だと思う物の、スタッフを一人この準備に取られたりすると思うとなかなか辛い。

じゃあどうすれば良いのだろう

かと言って、やらないほうがいい!という訳では無くて、どうやるとより簡単にできるだろう?というのが自分の考えているところ。

ここは正しいのは託児サービスを巻き込んでスポンサーになってもらう、ということではないだろうか。お金がそこに発生しない、という事ではない。さすがにスポンサーとして保育士の料金を全て持ってくれ、というのは無理だし、おかしい話になってしまう。そうではなくて、ここは完全に託児サービス側を中の人にしてしまうことによって、運営全体を彼らに預けるほうが上手く回るのではなかろうか。

つまりカンファレンス運営側は託児サービス側に概算で○人分のサービス料金を支払い、サービスを提供してもらう契約を締結をした上で、その後の予約等も含め運営は丸投げしてしまう、という形だ。これであれば「託児サービスはある、だが詳細はサービス運営側と直接話してくれ」という形で、カンファレンス運営側の負担をかなり軽減できるのではなかろうか。

…と、ここまで考えたところで、これなら自分でもできそうだな、と思った。ちょっと考えてみよう

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Daisuke Maki

Go/perl hacker; author of peco; works @ Mercari; ex-mastermind of builderscon; Proud father of three boys;